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2023.10.24

AIか人間か

こんにちは、山本です。
今回はCMでのAIタレントの起用が及ぼす影響の範囲について書いていきます。
以下のように伊藤園のCMでAIタレントが起用されてたことが、最近話題になっています。


ネットニュースではよく流れているので見たことがある人も多いでしょう。
今後は、伊藤園を皮切りに、他企業のAIタレントの起用を検討していくことが予想されます。
さて個人的に気になるのは、CMにおいてAIタレントの起用が及ぼす影響に関してです。
まずは、CM制作に関わる人がどういった影響を受けるのか推察をしたいと思います。

CM制作に関わる職業全般

従来の人間を起用するCM制作に関わる人達の職業はおおよそ以下の通りです。

●プロデューサー
●プランナー
●プロダクションマネージャー
●アートディレクター
●タレント
●タレントマネージャー
●クリエイティブディレクター
●カメラマン
●ライティングスタッフ
●現場アシスタント
●クリエーター(映像・WEB・紙媒体など)

書き出してみると、多いですね。もっと細かく書くと上記だけでは足りないかもしれません。それだけCMというものは多くの人たちが関わって、人が動けば動くほど多くの費用がかかることが分かります。さて、これがAIタレントを起用することでどう変わるのか、見てみましょう。(ここからは推察です。)

AIタレントを起用したCM制作に関わる(であろう)職業全般

AIタレントを起用する場合、さあいきましょう。

●プロデューサー
●プランナー
●プロダクションマネージャー
●アートディレクター
●クリエイティブディレクター
●開発マネージャー
●制作会社(映像・WEB・紙媒体など)
●AIモデル開発エンジニア

従来の人間タレントを起用するケースと比較して無くなる職業は、

・タレント
・タレントマネージャー
・カラメラマン
・ライティングスタッフ
・現場アシスタント

と考えます。
それに変わり新たに追加される職業は

・開発マネージャー
・AIモデル開発エンジニア

となります。

AIタレント起用が及ぼす影響の範囲は広い

ご覧いただいたようにAIタレント起用による影響はタレント要する芸能プロダクションだけではなく、CM制作の現場のカメラマンやライティングスタッフ、場合によっては舞台の設営を担当するスタッフなどにも及んでくると思われます。明らかに人件費の低減を実現することができることがわかります。
従来のタレントだったら莫大なギャランティがかかっていたものが、AIタレントにすることによってコスト削減、現場のコストも削減、、、と企業からするとメリットがたくさんあるかのように見えます。では今後、企業は人間のタレントを捨てて、AIタレントを起用し続ける選択肢をとるのか?というと、私は「そうではない」と思っています。

AIを選ぶか、人間を選ぶか

TVやPCのモニターに映し出されるCMのキャラクターは全てAIタレントによって淘汰される日がいつかは来るのか、、と漠然とそんな未来を考えてしまうくらいAIが身近になりつつあります。しかし現実はそうならないと思います。
なぜかというと、CMは広告の手段でありCMを見たユーザーが商品を買うためのきっかけです。企業としての真の目的はCMを通して商品を売ることです。今まで有名女優を起用して売れ続けていた商品のCMがAIタレントに切り替わった時、その商品は果たして継続的に売り上げを確保することはできるのでしょうか。
AIタレントを起用することで、一時的に話題となり起爆剤にはなるかもしれませんが、それは一過性のもので、継続的な売り上げという観点を考えると難しいのでは・・・と考えます。
人間は人間に感情移入して行動を起こすケースが多く、「あの人が使っている」「この人が使っている」から私も買おうと。この感情移入が購買意欲を引き立てるトリガーになりえると考えた場合、それと同じことがAIタレントで出来るのでしょうか、おそらく難しいでしょう。
上述した「AIタレント起用により影響をうける職業」も受ける影響は一時的なものでしかなく、やはり需要はまだまだありそうだなと思います。人間のタレントを起用することで、また現場に関連する人たちの仕事はまだまだ残っていくのだと思います。

まとめ

さて、今回はCMにおけるAIタレント起用が及ぼす影響の範囲についてお話しましたが、AIタレントだけではなく今後AIが取って代わる様々なモノに関してその影響を私達は考えていかなければいけません。
AIタレントに関する内容では、「今までの仕事はなくならないだろう」という比較的ポジティブな結論に至りましたが、そうでないケースも多く出てくると考えます。
今回伊藤園のCMでは、AIについて多くのことを考えさせられました。
引き続き世の中のAIに関するニュースについて注視しながら、皆さんにシェアしていきたいと考えます。


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