Blog運営メンバーによるブログ記事

2023.07.24

データ活用事例 ー 某金融機関 ー

こんにちは。山本です。
この記事では引き続き「世の中のデータ活用事例」についてピックアップしたいと思います。
今回は、某金融機関様のデータ活用事例をお話ししたいと思います。

意思決定の効率化に成功

データ分析の成功事例は「~が2倍になった」「売上前年比120%アップ!」などと明確に数値として成果が出る場合もあれば、そうでないこともあります。今回の成功事例は明確な数値化ではなく、「企業の部門間における”意思決定という業務”の効率化に成功できた」という事例です。
業務効率化はどの企業においても大きな課題です。業務効率化が進むほど、今まで出来なかったことが出来るようになっていきます。それが部署単位であったとしても「企業としての進歩」と言え、その一つ一つの積み重ねがとても重要なんですね。

課題:部門間で追う数値を統一化していく

この企業では、営業部・リスク管理部・経営企画部等が、それぞれ異なる方法で社内データを収集し、異なる方法で未来の収益の予測を行ってました。企業と対話をしていると、よく「縦割り」なんて言葉を聞きます。本件は、まさにこの縦割りが産んでしまった問題かもしれません。縦割りが悪いわけではありませんが、部門同士で何かを連携をしなければいけない際は、統一の指標や手法でないと、連携が難しくなってしまうことは言うまでもありませんね。
また、収集したデータの可視化も各部で異なっていて、統一されていませんでした。お互いに異なる数字を追う事になっていて、部門間の連携が取れないままでいました。

解決方法:統一的なモデルを再定義、実装

上記の課題からどう解決に至ったのか、その道は決して容易なものではありません。
大きなステップとしては、以下との通りです。
・各部の業務要件などをあらためて整備
・各種数値の算出方法の整備
・未来の収益予測についての統一的なモデルを再定義し、実装
・数値を可視化するためのツールも導入

以上を実施する事で、部を超えて、追うべき数値の共通化を行いました。
実施した詳細は割愛しますが、データサイエンティストとして一人前になっていくとこれだけのことが出来るようになってきます。培った知見・ノウハウを駆使してイチ企業の改革が出来てしまうんですね。さぁこの結果この企業はどうなったのでしょう。結果を見てみましょう。

部門間意思決定の効率化に成功

本投稿の冒頭でも書きましたが、「効率化に成功」しました。
共通化の結果、部門をまたいで同じ数値を追う事が可能になりました。
例えば経営企画が出した方針に対して、
リスク管理部はその判断に対するリスクを計量し、
営業部は営業目標を決めるわけですが、
その内容のすり合わせにかかるスピードが大幅に圧縮されました。
この効果は、社内の意思決定のスピード、ガバナンス強化の観点から見ると、はなはだ大きいものだと理解頂けるのではないかと思います。中間管理職や経営に携わったことがある方なのであれば、こういった課題に必ずと言ってよいほどぶつかると思います。

まとめ

実はデータ分析で解決できること(データ活用で解決できること)は、様々なことがあります。
データサイエンティストはエンジニアリングだけでなく企業の改革のきっかけになれるほど、インパクトのある職種だとも言えます。

データサイエンティストがある時を境に世の中で騒がれるようになったのは、決して給料が高いからでもセクシーだからでもありません。データを活用することで世の中あるいは企業にインパクトを与えることが出来る職種だからです。一言でプレゼンスが高い職種なのです。データサイエンティストを目指す方は是非、世の中に価値を提供できるような存在になって頂きたいものです。

データサイエンスアカデミーでは、
無料個別相談・セミナーを実施中!
お申し込みはこちら

Archiveアーカイブ