Column連載コラム
2022.04.30
データ分析初学者向けの資格のご紹介①~G検定~
事務局スタッフのMです。
データサイエンスに関する資格は多くあり、当サイトの他のコラムでも紹介されています。しかし、例えばこれまでのキャリアであまりIT分野に関わらなかった方やプログラミングを初めて学ぶ方がデータサイエンスに関する資格取得を目指した時、初学者向けの資格はどれか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで当コラムでは、初学者の方がデータサイエンスを学ぶ第一歩となる資格を、同じく初学者である私の目線からお伝えいたします。
資格の特徴や受験のポイント、取得のメリットについて紹介しますので、初学者向けの資格を知りたい方のご参考になれば幸いです。
■G検定はどんな検定?受験のポイントは?
数あるデータサイエンスに関連する資格から、私が最初に取得したのは「G(ジェネラリスト)検定」(運営:JDLA)です。JDLAがジェネラリストと定義する「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有している人材」を認定する資格で、主にユーザー側(実務を行うエンジニアではなく、IT技術を提供される側)にとって必要なディープラーニング(機械学習の一種で、主に音声認識や画像認識等に高い効果を発揮する手法)に関する知識を幅広く問われます。
受験者の約6割がエンジニア以外の職種の方で、NTTコミュニケーションズ株式会社やコクヨ株式会社、富士ソフト株式会社などの大企業でも取得が推奨されている資格です。
出題傾向としては、ディープラーニングの知識について幅広く問われる一方、プログラミングや統計学的な知識を問う問題はほぼありません。そのため、例えばPCを使えない環境でも、参考書籍や最新情報のキャッチアップができるツールがあれば、隙間時間に学習できるという取り組みやすさがあります。
「データ分析のスキルを身に付けたいけれどもIT関連に弱い、数学が苦手だ」という方もいらっしゃると思います(かくいう私も前職は文系の業種・職種でしたので、プログラミングも数学も苦手です)が、まずは学習の第一歩として、ディープラーニングを知識面から理解するのに適した資格だと思います。
受験形式は、自宅から専用サイトにログインしてのオンライン受験となりますので、慣れた環境で受験が可能です。実際の受験では120分間に約200問程が選択形式で出題されるので、当日に集中力が切れないよう、例題集などで時間配分について練習することをお勧めします。
■取得のメリット
G検定は、AIの定義、手法の変遷の過程、社会実装に向けた課題と対策など、ディープラーニングについての知識を体系的に学べることから、初学者の方がディープラーニングの全体像を掴むのに適していると思います。
2017年の開始以来、累計合格者数が4万9千人を超え、社会的認知度も高まってきていることから、業務で関わる方は「ディープラーニングについて基礎的な知識を持っている」ことを社内外の関係者に証明できますし、これから就職や転職を考えている方にとってもアピールポイントとなり得る資格だと思います。
■G検定を取得すればデータ分析に必要な知識の全てを得られるのか?
上記でお伝えした通りディープラーニングは機械学習の手法の一つですが、G検定では、ディープラーニング以外の機械学習の手法について深く問われません。また、実際にデータ分析を行う際には統計学的な手法も多く利用されますが、G検定では統計学の知識についてはほぼ問われません。ディープラーニングはデータ分析のひとつの手法に過ぎず、実務ではディープラーニング以外の手法が使われることが圧倒的に多いので、データ分析という観点から言えば、G検定を取得したからといって、データ分析に必要な知識の全てが得られるわけではありません。
とはいえ、出題範囲も幅広く、初めてデータ分析を学ぶ方にとっては取り組みやすい資格です。今後ユーザー側としてデータ分析に関わる場合も、データサイエンティストを目指す場合も、G検定をデータ分析を学ぶための第一歩とし、次の学習ステップに進むのがよいと思います。
今回のコラムでは、初学者の方に向け、同じ立場だからこそお伝えできることがあるのではと、受験当時の私が知りたかったポイントを中心にご紹介しました。
取得して得たことは知識が足りない分野への明確な気づきで、そのことが現在も勉強を続けるモチベーションとなっています。
次回も初学者向けの資格についてご紹介したいと思います。データ分析の学習と共に資格の取得を目指す方と一緒に頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。