Column連載コラム

2022.03.31

30代未経験からデータサイエンティストになれるのか?その②

転職・就職支援担当の中川です。

前回のコラムでは、「30代未経験からデータサイエンティストになれるのか?」というタイトルで、転職の可能性について書きました。結論として、「大学院修了者を多く受け入れているという背景からデータサイエンス業界には30代未経験を受け入れる土壌もあり、これまで培ってきたキャリアとデータ分析を掛け合わせることができれば、転職は可能」と言えます。

30代未経験からデータサイエンティストになれるのか?その①

※ここでいうデータサイエンティストの定義については、上記前回コラムでご確認ください。

 

ただし、転職するにはそれなりの時間とエネルギーが必要です。環境を大きく変えることになり、収入が下がる可能性も大いにあるため、リスクが伴います。当然、転職活動がうまく進まないこともあるでしょう。では、最小限のリスクでデータサイエンティストになるには、どうしたらよいのでしょうか。

 

前回のコラムでも書いた通り、ある程度キャリアを重ねた方がデータサイエンティストになる方法は、二つあります。

 

①データサイエンス系の職種に応募し、採用してもらうこと(転職)。

②今自分がいる会社で、何らかの方法でデータ分析を行うこと。

 

「データ分析に携わる仕事がしたい」と思ったとき、真っ先に転職という選択肢を思い浮かべてしまいますが、よくよく考えてみると、今の仕事でデータ分析に取り組める可能性はたくさんあります。データサイエンスアカデミーでは、転職よりも先に「今自分が働いている環境の中でデータ分析に携わることができないか」を考えることを推奨しています。今回のコラムでは②の「今自分がいる会社で、何らかの方法でデータ分析を行うこと」についてご説明します。30代だけでなく、40代以上の方にも有用な方法です(むしろ、40代以上の方にとって有用な方法かもしれません)。

 

■社内での配置転換を利用する

近年IT技術の進展によりビジネスパーソンに求められるスキルが変化してきており、多くの会社(特に大企業)が「配置転換」「リスキリング」に取り組んでいます。データ分析関係の部署立ち上げにあたっての候補者の募集や、データ分析の教育の機会も増加していると思います。このような機会があれば、ぜひ立候補していただきたいです。

(データサイエンスアカデミーを運営する株式会社D4cアカデミーは法人向けの研修やデータ分析専門部署の立ち上げ支援もしていますので、多くの会社がこれらの取り組みを行っていることを実感しています。)

 

■自分の仕事の裁量の範囲内でデータ分析を取り入れる

そういった機会がない方には、次に「自分の仕事の裁量の範囲でデータ分析ができないか」を考えてみていただきたいです。「自分の仕事はデータ分析には関係がない。裁量も技術もないし、できるわけがない」と思った方も、ぜひ続きを読んでみてください。

 

・データ分析はどのような業種にも適用できる

データ分析は「道具」ですので、アイデア次第でどのような業種にも適用することができます。「データの活用が進んでおり事例が多数ある業界」と「データ分析にこれから取り組んでいく業界」の差はあるものの、「データ分析が全く適用できない業界」はないと思います。データサエインスアカデミーで受講されている方も、情報通信業はもちろんのこと、製造業、小売業、飲食業、マスコミ・広告から公的機関にお勤めの方まで、かなりの幅があります。自分の仕事の中でどのようなデータを取得でき、どのような使い道があるのか、ぜひ考えてみてください。

 

・ExcelがあればOK、特別なツールは必要なし

「データ分析」と聞くと、特別なツールが必要だと考えがちですが、いきなりプログラミング環境を構築したり、高価な分析ツールを購入したりする必要はありません。多くの方が使用しているExcelは分析関係の機能も非常に充実しており、回帰分析等も実行することができます。新しいソフトウェアをインストールするのは許可が必要になる会社も多くハードルが高いですが、Excelであればほとんどの方が使うことができるのではないでしょうか。(Excelの弱点はデータの件数が制限される点ですが、数万~数十万行程度のデータであれば、一般的なPCで分析も可能であると思われます。)

 

・まずは基本統計量の確認と視覚化から

機械学習等の高度な手法を使わなくても、中学・高校初級レベルの数学の知識があれば、基本的な統計量(平均や中央値、分散や標準偏差等)を見たり、グラフ化や数表化したりすることで、多くの重要な情報を得ることができます。「基本統計量を見る」「グラフ化・数値化してデータの特徴を把握する」はデータサイエンスアカデミーのカリキュラムの中で最も大切にしているプロセスのひとつです。

 

実際に手元のデータで分析をしてみると、多くの方が「統計量を見たりグラフ化したりする前のデータ整備に思いのほか時間がかかる」という事態に直面するのではないでしょうか。いわゆるデータ加工はデータ分析のプロセスの中でも重要かつ時間がかかるプロセスです。データ分析に取り組むにあたり、この点を理解(実感)しているかどうかは、非常に重要です。たとえそれが小規模であっても、実際にデータ分析をやってみることで得られること、身に付くスキルは多くあります。

 

こうした経験を積み重ね、データ分析を実際の業務の中で生かした実績ができれば、会社の上司や周囲の方も、その成果を認めてくれるかもしれません。プログラミングや分析ツールを使用したもっと高度な分析に取り組むことが認められるかもしれません。

 

会社の中でデータ分析を続けることが難しく、転職するしかなくなった場合にも、それまでの実績は転職時のアピール材料となります。最終的に転職を考えるにしても、現職でデータ分析に取り組むことには大きな意味があります。

 

まずはできるところからデータ分析に取り組み、「もっと複雑な分析がしたい」「もっと大量のデータを分析したい」と感じたら、ぜひデータサイエンスアカデミーにお越しください。データサイエンスアカデミーは、データ分析をビジネスや社会に生かしたいと考えている皆様を応援しています。

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